統合経営報告

統合経営報告

中期経営方針

クレアンでは3年に一度、3カ年の中期経営方針を策定しています。

中期経営方針の策定

現在執行中の中期経営方針(2023~2025年度)は、2022年6~12月にかけて策定しました。シナリオ分析にはじまり、環境分析、市場分析、競合分析、社会からの要請を検討、そのうえで自社の強みを基点に次の3年間で実行に移す重要施策について抽出。事業側面と組織側面の2つの側面にてとりまとめを行いました。このうち社会からの要請については、社内外の5名(当社監査役のほか、NPO、経済団体、金融機関、有識者)の方にヒアリングを行い、サステナビリティコンサルティングサービスを提供するクレアンが社会的ならびに経営上求められる内容について、率直なご意見をいただきました。

中期経営方針の概要

数値目標 2025年度における営業利益目標額:5,000万円(安定して必要な投資が可能な利益額の確保)
重要施策

【事業側面】

  • ① 統合経営の伴走者として自発的な取組推進を支援する
  • ② ステークホルダーとの対話および協創の環境を創造する

【組織側面】

  • ① 新たなソリューションを生むための知識創造のさらなる活性化
  • ② 対話を通じた組織力強化と各メンバーの期待・適性に合った役割の明確化
  • ③ オンライン環境でのコミュニケーションおよび健康の促進
環境分析(抜粋)
  • サステナビリティに関する規制強化・政策決定が国内外ともに進展
  • 国家間対立環境によるサステナビリティに関する国際協調の滞り
  • サステナビリティ市場の拡大継続および細分化(専門化)の進展
  • サステナビリティコンサルティング市場における競合企業の増大

中期経営方針の具体的施策への反映、および統合マテリアリティ策定のために、社会からの要請へのレスポンスとして、特に情報開示の面において、GRIスタンダードに示されている31の開示項目を対象に検討を行い、マテリアルな項目を4つのステップを踏んで特定しています。

社会からの要請へのレスポンス図

STEP1からSTEP3では、自社のコンサルティング事業という業態におけるビジネスモデル、さらにはステークホルダーとの関係性について棚卸をし、31の項目ごとに社会に与えるインパクトの検討を行いました。このうち経済側面(201-207)および環境側面(301-308)については事業規模ならびにビジネスの性質から社会的インパクトは小さいだろう、という判断を行いました。一方で社会(人権)側面(401-418)については、従業員および顧客との関係性において一部顕在的なインパクトがあることを認識したほか、サプライヤーとの関係性において一部潜在的なインパクトがあることを認識しました。但し、これまでも長年にわたり継続的にサステナビリティの取組を進めてきているなかで、現状において著しいマイナス面での社会的インパクトが存在する状況ではないと判断しております。

STEP4では、STEP3までに認識した顕在的インパクトのなかで、中期経営方針期間(2023-2025)である3年間において、マネジメントを行う対象として優先的に取り組む必要があるか、という基準に照らし合わせ、5つの項目をマテリアルな項目と特定しました。この5つの項目については最終的に前中期経営方針期間の内容と同じものとなりました。これらは新中期経営方針期間における新しい統合マテリアリティを策定するにあたり考慮に入れています。

マテリアルな項目一覧

マテリアルな項目 インパクトの内容 方針 マネジメント 評価
401:雇用 401-1
従業員の新規雇用と離職
【優れた人材の雇用確保】
  • コンサルティングという専門性を要する労働集約的な事業を継続していくのにあたり、優れた人材の雇用を確保できるかどうかは経営上特に重要なインパクトを持つ
社員とのかかわり 統合マテリアリティ(3)KPI 社員満足度調査を実施
402:労使関係 402-1
事業上の変更に関する最低通知期間
【社員との信頼関係の構築】
  • 会社の重要な意思決定事項について適時に伝え、対話の機会をもつことで、社員との信頼関係を築けるかどうかは社員のパフォーマンスに影響し経営上特に重要なインパクトを持つ
社員とのかかわり 統合マテリアリティ(2)KPI 社員満足度調査を実施
404:研修と教育 404-1
従業員一人あたりの年間平均研修時間
【社員の能力開発】
  • コンサルティングという専門性を要する労働集約的な事業を継続していくのにあたり、社員の能力開発(および組織力の強化)は経営上特に重要なインパクトを持つ
社員とのかかわり 統合マテリアリティ(3)KPI 社員満足度調査を実施
405:ダイバーシティと機会均等 405-1
ガバナンス機関および従業員のダイバーシティ
【人材の多様性の尊重】
  • 会社で働く人材の多様性を認め、個々人の持つ適性に沿って能力を十分に発揮できる環境を整えることは、経営上特に重要なインパクトを持つ
社員とのかかわり 統合マテリアリティ(3)KPI 社員満足度調査を実施
418:顧客プライバシー 418-1
顧客プライバシーの侵害および顧客データの紛失に関して具体化した不服申立
【情報セキュリティの徹底】
  • クライアント企業の個人情報ならびに秘密情報を守ることは、法令の順守ならびにクライアントとの信頼関係を保持するという観点から、経営上特に重要なインパクトを持つ
リスクマネジメント・コンプライアンス 統合マテリアリティ(1)KPI 顧客満足度調査を実施