Sustainabilityマガジン(vol.7)2011.10.18号
Sustainability マガジン vol.7 (2011.10.18号)
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今回は、ISO26000の推進に向けた資料を中心にご紹介いたします。
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◇◆ 1. クレアンからのお知らせ
◆◇ 弊社サービス関連資料のご案内
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弊社サービス2点に関するご案内資料を、弊社ウェブサイトに掲載を
いたしました。
●1 「ISO26000の推進に向けたご紹介資料」のご案内
ISO26000に基づく活動推進に関する簡単なご説明資料を、弊社ウェブ
サイトに掲載いたしました。是非、ご覧いただければ幸いです。
→ 掲載ウェブサイト:
http://www.cre-en.jp/service/pdf/ISO26000_1110.pdf
ISO26000が発行して一年が経ちます。2011年9月時点で発行されて
いた日本企業のCSRレポート約70冊のうち、ISO26000に何らかの形で
言及、あるいは取り組みを報告していた企業を調べたところ、大震災
の影響もあってか、10社強と2割に満たない状況でした。
ISO26000はSRに関するグローバルなガイダンス文書であり、ISO26000
の利用状況等について報告義務等はもちろんありませんが、世界約90カ
国のステークホルダーが議論し、合意したガイダンス文書が発行された
にも関わらず、これに一言も言及しない報告が多数を占めるというのは、
現在の日本企業のCSRへの姿勢を物語っているように思います。
一方、水面下では、自社のCSR推進フレームワークや取り組み状況を、
ISO26000に照らして自己評価を行なうなどの実質的取り組みを、既に
多くの企業が着手しており、2012年度にはISO26000を参照した活動
報告が一気に進展すると予想されます。
クレアンでは、ISO26000を尊重したグローバルなCSRの推進と普及に
向けて、これまでもさまざまなご支援を行なって参りましたが、一層
その取り組みを拡大していきたいと考えております。是非、掲載プロ
ダクトをご覧いただき、ISO26000の活用に向けたご相談・お問合せを
頂ければと思います。
●2 「CSV(Creating Shared Value)に関するご案内資料」のご紹介
企業の競争戦略論の大家である米ハーバード大学のマイケル・ポーター
教授が新たに提唱した「Creating Shared Value」を活用した経営革新に
関する簡単なご説明資料を、弊社ホームページに掲載いたしました。
是非、ご覧ください。
→ 掲載ウェブサイト:
http://www.cre-en.jp/service/
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◇◆ 2. Sustainability Colum
◆◇ ~ 社会貢献活動を考える ~
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その社会貢献活動は、自社のミッションを実現するため役立っていますか?
その社会貢献活動は、自社事業を強化するのに役立っていますか?
その社会貢献活動は、自社の強みを活かしたものですか?
これら3つの質問の少なくとも1つに明確にYesと答えられないなら、その社会
貢献を継続すべきかどうかを再検討すべきでしょう。
経団連の調査によれば、1%クラブ加盟企業の平均社会貢献支出金額は、
4億6,500万円(2008年度)で、中には、1社で数十億円の支出を行っている
企業もあります。これだけの投資を行っているならば、社会へのインパクト
は当然のことながら、それに見合うアウトプットが期待されます。
同調査によれば、半数以上の企業が社会貢献活動の事後評価を行っている
ということですが、最も多い評価内容は、「受益者の満足度」です。本当に
その活動が、社会または自社にとって十分なアウトプットを出しているか?
自社こそが行うべき活動なのか?という視点で、適正に評価されているかは
疑問です。
社会貢献活動の自社にとっての意味合いは、「評判向上」や「社員の活性化」
などの評価の難しいものがあるのも事実ですが、それぞれの社会貢献活動が、
これらに貢献しているかどうかは客観的に考えればある程度の判断はつくと
思われます。「評判」や「社員の活性化」に少しは貢献しているというよう
な認識で社会貢献活動を推進するのは、社会にとっても、自社にとっても望
ましいことではありません。
現在行っている活動を中止・変更するためにはそれなりのエネルギーや機会
コストが必要となるかも知れませんが、少なくともこれから行う活動につい
ては、社会貢献活動の方針や評価プロセスの見直しも含めて、最初の3つの
質問を問うた上で実施することが期待されます。
それが、社会貢献活動を推進する上での企業の社会的責任だと考えます。
(クレアン 水上武彦)
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◇◆ 3. 新着Topics & News
◆◇ ~ サステナビリティ関連の動きからトピックスをご紹介 ~
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今回は6つのトピックスをご紹介します。
●1 「持続可能な社会の形成に向けた金融行動原則」発表 (金融業界)
この度、中央環境審議会「環境と金融に関する専門委員会」で、
「日本版環境金融行動原則」の策定が提言され、自主的なイニシア
ティブとして表記の金融行動原則がとりまとめられました。
「予防的アプローチ」「本業を通じた持続可能なグローバル社会形成
への貢献」等の項目が盛り込まれており、評価できる内容と考えます。
今後は、本原則に署名した企業は、この原則に沿って活動を行ってい
ることがわかるように活動報告を行なうと共に、ステークホルダーは
取り組み状況をよく確認し、必要な対話を行なっていくことが期待さ
れます。
: http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=14289
●2 金融取引税導入法案提出 (EU)
EUで金融取引税導入法案が提出されました。所謂、「国際連帯税」や
「トービン税」と呼ばれるものの一種ですが、数年前までは実現は不
可能だと言われていました。しかし、グローバルな社会課題が深刻化
する中で、実現にむけた検討が欧州を中心に拡大しています。現在、
ウォール街を中心に、経済格差拡大への反対運動が拡大していますが、
この動きとも関係しており、今後の動向が注目されています。日本で
は超党派の議員連盟が発足し、民間レベルでの活動も進んでいます。
: http://www.deljpn.ec.europa.eu/modules/media/news/2011/110928-2.html
: http://www.afpbb.com/article/economy/2831382/7844195
●3 欧州39カ国でMSC認証製品の提供を決定 (欧州マクドナルド)
画期的な取り組みが欧州でスタートしました。欧州マクドナルドが、
欧州39カ国、約7000のマクドナルドで提供される白身魚に関して、
持続可能な漁業で取られたことを認証されたMSC認証の魚を提供する
ことを決定しました。日本のマクドナルドでも、MSC認証のフィレオ
フィッシュが食べられる日を期待したいと思います。
: http://www.msc.org/newsroom-ja/news/partner-release-
mcdonald2019s-to-bring-sustainable-fish-to-millions-in-europe
●4 パッケージポリシーを変更 (マテル社)
バービー人形で有名なマテル社が、グリーンピースからの要請を受け、
パッケージポリシーを改訂しました。2015年までに容器包装の70%を
リサイクルまたは持続可能なものに切り替える、違法伐採等の問題の
あるバージンパルプを使用しない、などが謳われています。
: http://www.greenbiz.com/news/2011/10/05/mattel-sets-sustainable-
packaging-goals-after-greenpeace-pressure
●5 紛争鉱物に関する取り組み (米国)
OECDが「The OECD Due Diligence Guidance for Responsible Supply
Chains of Minerals from Conflict-Affected and High-Risk Areas」を
発行したことは、ご存知の方が多いと思いますが、米国では政府
と企業などが共同で、Public-Private Alliance for Responsible Minerals
Trade (PPA)を設置し、対策検討や対話を推進しています。
: http://www.justmeans.com/blogs/HP-Pledges-to-Join-Public-Private-
Alliance-for-Responsible-Minerals-Trade/1213.html
http://www.oecd.org/document/36/0,3746,en_2649_34889_44307940_1_1_1_1,00.html
●6 エコマジネーションに関するインタビュー記事(GE)
GEのエコマジネーション等は本業を通じた社会課題解決にむけた事業
変革の事例で有名ですが、6年前に気候変動は本当に起っている派と
起っていない派に分かれてディベートを行い、起っている派が勝った
ことがエコマジネーションの始まりになったということです。
: http://www.greenbiz.com/blog/2011/10/12/if11-what-ge-learned-trying-
bring-ecomagination-scale
(荒木 茂善、水上 武彦)
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