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Sustainabilityマガジン(vol.9)2012.2.8号

Sustainability マガジン vol.9 (2012.2.8号)
========================= http://www.cre-en.jp/


今回は、クレアンからのお知らせ4件とコラムをご紹介させていただきます。


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◇◆ 1. クレアンからのお知らせ
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●1 「CSR経営研究所のコンサルティング事業の事業統合のお知らせ」

 2012年2月1日をもちまして、株式会社クレアンの関係会社である
 株式会社CSR経営研究所のコンサルティング事業部門を弊社のCSR
 コンサルティング事業部門に統合し、新たに「サステナビリティ・
 コンサルティンググループ」として事業の拡充を図ることといたし
 ました。

 新体制のもと、持続可能な社会の実現に向けて、両社がこれまでに
 培ってきた知見・ノウハウ・人財を集約し、戦略的コンサルティング
 サービスの一層の拡充を図っていく所存です。

 株式会社CSR経営研究所のスタッフは全て株式会社クレアンに加わり、
 これまでと変わらず皆さまのCSR活動の推進をご支援させていただき
 ます。今後とも倍旧のご愛顧・ご支援を賜りますよう、お願いを申し
 上げます。


●2 ISO26000とCSRレポーティング・セミナーのご案内

 「CSRレポートにISO26000を織り込むための理論と実践講座」を2月
 23日(1回目)と3月1日(2日目)に開催致します。

 ISO26000を消化するには色々な方法がありますが、CSRレポートの
 活用は具体的かつ有効な方法であり、CSRレポートを革新させること
 にもつながります。本講座は少人数制で、講義と議論を交えて実施
 します。

 詳しくは以下をご覧いただければ幸いです。

  → http://www.cre-en.jp/library/seminar/120119/


●3 ブログ「水上武彦のサステナビリティ経営論」
 弊社水上がblogを始めました。ご覧いただければ幸いです。

 → http://www.cre-en.jp/mizukami-blog/


●4 人権セミナー「グローバル企業のリスクと課題
    ~グローバル社会の中での人権について考える~」開催

 サステナビリティ日本フォーラムで、企業が直面する人権課題を
 企業経営と結びつけるためのセミナーを3月15日(木)に開催さ
 れます。当日は、ラギー・レポートやISO26000といった企業への
 ガイダンスの観点や国際的な企業評価の観点から世界は企業に何
 を期待しているのかについて解説等が行なわれる予定です。今後
 注目が高まる分野ですので、是非ご参加いただければと思います。
 (弊社はラギーレポート邦訳版の作成に協力しております)

 → http://www.sustainability-fj.org/seminar/2012/20120206.php



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◇◆ 2. Sustainability Colum
◆◇     ~ ゲーミフィケーションとサステナビリティ ~
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最近、ときどき"ゲーミフィケーション"という言葉を耳にされるかと
思います。

「ゲームの要素やゲーム性を、ゲーム以外の分野に応用していこうとする
取り組み」のことで、Webサイトやサービスを中心に様々な領域で活用され
始めています。

このゲーミフィケーションは、楽しみながら社会課題を解決するためにも
使われています。

例えばスウェーデンでは、スピード違反を減らすための取り組みとして、
違反ドライバーには罰金を科し、制限速度を守ったドライバーの中から
抽選で選ばれた人に、違反者から徴収したお金を宝くじ形式でプレゼント
するというユニークなキャンペーンを実施しています。その結果、2万4000
台の車を対象に実施して3日間で平均速度が22%も下がったといいます。

国連World Food ProgrammeのFree Riceウェブサイトでは、サイト上のクイズ
に答えて正解すると、途上国へ寄付するお米がたまっていくという取り組み
が行われています。プレーヤーの成績はサイト上に公表され、これまでに
1400万トン以上の米が寄付されています。

GAMES FOR CHANGE(http://www.gamesforchange.org/)というサイトでは、
紛争、経済、教育、環境、健康、人権、貧困などの様々な社会課題の解決に
向けたオンラインゲームが提供されています。

このゲーミフィケーションの力を証明した事例として、これまで科学者たち
が長年解明できずにいたエイズの治療薬を開発するうえで鍵を握るタンパク
質の構造が、全世界から10万人が参加したゲームによってわずか3週間で解
き明かされたことなどがあります。

企業の取り組みとしては、日産リーフがエコモードでの運転状態をディス
プレイで表示し、如何に効率的に運転しているかをフィードバック。さら
に、オンラインで近隣のドライバーと運転の効率性を比較、競争できるよう
にし、最も効率的に運転しているドライバーには、金銀銅のメダルを贈って
います。

フォード・フュージョンのハイブリッドモデルでは、ダッシュボードに表示
された木が、エコなドライブをすると育ち、非効率に運転すると萎むという
"たまごっち"のようなゲームで、エコドライブを促しています。

また、SAPでは、車での通勤や社用車で相乗りをするとポイントが付与され
るプログラムを導入し、ゲームのノリで車の効率利用と従業員の連帯強化を
促進しています。

我慢するエコはサステナブルでないことは既に証明されており、楽しみな
がら、幸せや充実感を感じながらサステナブルな社会を築いていくことが
求められています。企業活動についても、企業価値と社会価値を両立させる
CSV(Creating Shared Value)を促進していくにあたって、ゲーミフィケー
ションは一つの有効なアプローチでしょう。

ゲーミフィケーションはサステナビリティの視点でも、今後大いに広がって
いくことが期待できるコンセプトです。


(参考)ゲーミフィケーションの定義や事例は、下記サイトから引用しています。
「STATE OF GREEN BUSINESS 2012」GreenBiz Group
 http://r25.yahoo.co.jp/spcate/wxr_detail/?id=20111122-00022125-r25
 http://www.ipa.go.jp/about/NYreport/201110.pdf
 http://cgi4.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail.cgi?content_id=3147&html=2

(水上 武彦)


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◇◆ 3. 新着Topics & News
◆◇   ~ サステナビリティ関連の動きからトピックスをご紹介 ~
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今回は6つのトピックスをご紹介します。


●1 「地球の持続可能性に関するハイレベル・パネル報告」
   (Global Sustainability Panel:GSP)
  今年開催されるRio+20とほぼ同様の以下のような論点が、
  国連事務総長への報告としてまとめられています。

 ①世界はまだ持続可能な開発にむけた道に立っていないこと。
  現在直面している課題には、生産及び消費のパターンの影響、
  資源不足、イノベーション、人口動向、世界経済の変化、グ
  リーン成長、格差拡大、政治ダイナミズムの変化及び都市化、
  などがあること。
 ②人々が行う選択が持続可能性に大きな影響を与えることから、
  持続可能な未来にむけた選択を行えるように人々の能力強化
  を図る必要があること。
 ③持続可能性の達成は世界経済の変革を必要とし、金融制度だけ
  でなく実体経済において、グリーン成長に向けて決定的な移行
  を行う必要があること。
 ④持続可能な開発を実現するためには、地方・国家・地域・世界
  の各レベルで効果的な制度と政策決定過程を構築する必要が
  あること等(世界の持続可能な開発のための理事会 global 
  sustainable development councilの創設検討を含む)。

  : http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/24/1/0131_01.html

●2 「生態系評価レポート」 (DOW)
  ダウがネイチャー・コンサーバンシーと協働で、事業活動が
  生態系に及ぼす影響と依存の関係を調査し、レポートで報告
  しています。ミシュランが世界資源研究所と世界で初めてESR
  を用いて調査を実施して以来、多くの企業が事業と生物多様性
  との関係を調査し、保全活動に活かし始めています。しかし、
  グローバル企業の場合、事業活動が全世界に広がっているため、
  ヴァーチャルな評価はまだしも、現場の実際の状況把握には多
  くの時間がかかります。ダウは年次レポートで調査の進捗状況
  を定期的に報告することで、ステークホルダーへの説明責任を
  果たそうとしています。
  
  : http://www.dow.com/sustainability/change/nature_conserv.htm

●3 「水資源不足に伴う経済的リスク」
  世界最大規模の企業の59%が水リスクについて報告し、その3分
  の1が既に財務的な何らかの被害を被っている。テキサス州とそ
  の周辺6州で発生した干ばつで100億ドルもの経済損失が発生した
  とアメリカ国務省が報告。中国の工業生産の52%(4.5兆ドル相当)
  が水不足に直面する地域に存在。マッキンゼーと世界銀行の試算
  では2030年には水需要が供給を40%上回る、等々の予測が示され
  た上で、コカコーラなどがどのように水リスク管理に取り組もう
  としているかがレポートされています。

 : http://www.greenbiz.com/blog/2012/01/20/economic-risks-
water-constrained-world?page=0%2C0
●4 「芳香剤成分をすべてWEB上で開示」 (SCジョンソン)   同社がすべての芳香剤成分をすべてWEB上で開示した上で、   科学的に安全であると評価されている素材であっても、消費者   からの懸念があればそれに対応していることが報告されています。   ISO26000でも、有害物質等に関する情報開示や潜在的リスクの   予測と対応などに言及されていますが、ここまでの対応を実際に   行なっている例はめずらしいと言えます。   : http://www.sustainablebrands.com/news_and_views/articles/
sc-johnson-completes-full-disclosure-fragrance-ingredients?utm_
source=newsletter&utm_medium=brandsweekly&utm_campaign=february2
●5 金融取引税 8月から導入 (フランス)   金融取引税がフランスで導入される見込みとなりました。サルコジ   大統領が5月の大統領選で落選しても導入される見通しとのことです。   : http://www.acist.jp/     http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE81K19T20120130 ●6 今後5年間で生活を変化させる5つのイノベーション(IBM)   今後5年で、生態認証によりパスワードが不要になる、世界人口の   80%がモバイル・デバイスを持ち、デジタルディバイドの解消に   つながっていくなどの予測を行なっています。   : http://www-03.ibm.com/press/uk/en/pressrelease/36356.wss#release (水上 武彦、荒木 茂善) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【 メール情報誌の名称: Sustainability マガジン 】 ※ 本メールは、持続可能な社会にむけた企業と市民社会の取り組みに関する   情報を、隔月を目安にお届けするメール情報誌です。 ※ メールマガジンの転送は歓迎です。複製・転載は事前にご相談下さい。 ※ このメール情報誌は、株式会社クレアン及び株式会社CSR経営研究所の   スタッフと名刺交換させていただいた方にも配信しております。この   メール情報誌がご不要の方は、お手数ですが下記のアドレスより配信の   解除をお願いいたします。 ▽ メールマガジンの配信解除   http://www.cre-en.jp/library/mm/ ▽ ご連絡先   sustainability(アットマーク)cre-en.jp 「(アットマーク)」は、「@」に置き換えてください ▽ 発行: 株式会社クレアン       東京都港区白金台3-19-6 白金台ビル5F (〒108-0071)       TEL. 03-5423-6920       HP . http://www.cre-en.jp/ Copyright(c)2012 Cre-en,Inc. & The CSR Institute,Inc. All Rights Reserved. ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━