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Sustainabilityマガジン(vol.12)2012.12.27号

Sustainability マガジン vol.12 (2012.12.27号)
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今年も、年の瀬となりました。今年一年は、皆さまにとっていかが
でしたでしょうか?新年もより良い年となることを願いつつ、今年
最後のSustainability マガジンをお送りします。

今回は、クレアンからのお知らせ5件とコラム1件をご紹介いたします。


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◇◆ 1. クレアンからのお知らせ
◆◇   
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●1 CSRレビューフォーラム 「提案と解説」「レビュー実績」を掲載
    ISO26000をベースに企業活動のレビューを提言・推進しているCSR
    レビューフォーラムにて、レビューに有り方に関わる諸提言をWeb
    サイトに掲載いたしました。(弊社山口が共同代表を務めております)
 → http://www.csr-review.jp/opinion/index.html
   http://www.csr-review.jp/result/index.html


●2 英国 社会イノベーション・ジャーニーのブログ記事
    弊社山口が、ブリティッシュ・カウンシル主催の英国における社会
    イノベーションをテーマとしたツアーに参加し、弊社のブログに記事
    を掲載しました。(5回分)
 →  http://www.cre-en.jp/blog/?cat=4&paged=3


●3 CSVに関するインタビュー記事
   富士通ジャーナルにCSVに関するインタビュー記事が掲載されました。
 → http://jp.fujitsu.com/journal/resolution/expert/201210/article-01.html
   http://jp.fujitsu.com/journal/resolution/expert/201210/article-02.html
   http://jp.fujitsu.com/journal/resolution/expert/201210/article-03.html


●4 「2012年 サステナビリティレポート動向 速報版」を掲載
     2012年度のサステナビリティ関連レポートの動向レポートの
     速報版(日・英)を掲載しました。
 → http://www.cre-en.jp/library/opinion/


●5 「統合レポートの動向 ~統合レポート発行の意義を考える~」を掲載
     統合レポートの動向に関する調査レポートを掲載しました。
 → http://www.cre-en.jp/library/opinion/



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◇◆ 2. Sustainability Column
◆◇     ~ 偶然の出会いを生かすセレンディピティ(ブログより) ~
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今年のノーベル生理学・医学賞を受賞した山中教授は、若手へのメッセージ
として、「仮説に反する実験結果が出たことが何度もある。“予想外の結果
こそチャンスにつながる”」と強調していました。これを聞いて、山中教授
は、セレンディピティのある人だと感じました。

セレンディピティとは、何かを探しているときに、探しているものとは別の
価値あるものを見つける能力です。平たく言えば、ふとした偶然をきっかけ
に閃きを得て、幸運を掴み取る能力のことです。

「セレンディップの3人の王子」という、王子が父の王様に出された課題を
達成する旅の中で、数々の難題に出会い、その都度、起こる問題に真摯に
立ち向かい、本当に大切な「成長」と「たくさんの人とのつながり」いう
思いがけない宝を手に入れるという物語にちなんだ言葉です。

セレンディピティに関しては、茂木健一郎さんの以下の言葉が気に入って
います。

「歴史に残るような科学的発見には、多くの場合偶然の幸運が関与している。」

「偶然の出来事自体は、コントロールすることはできない。しかし、偶然
の出会いを生かすよう心がけることはできる。セレンディピティは鍛える
ことのできる能力なのである。」

「まずは、行動を起こすことが肝心である。待っているだけでは幸運は訪れ
ない。また、注目すべき出来事が起こったとき、それに気付き、受容するこ
とが大切である。特定の目的に目を奪われて心の余裕がないと、セレンディ
ピティが育まれない。」

「行動し、気付き、受容する。まるで、素敵な恋人との出会いのようである。」

実験で使う試料を間違えて混ぜてしまったことが大発見につながった田中
耕一さんの例など、多くのノーベル賞級の成果がセレンディピティから生
まれています。

また、イノベーションを重視する企業では、セレンディピティが重要と考え、
その重要性を伝える活動、セレンディピティを生かすための偶然の出会いを
生み出す工夫をしています。

例えば、3Mではセレンディピティから生まれたポストイットのストーリー
を、製品開発ストーリーとして社内に浸透させています。ポストイットは、
接着力の強い接着剤の開発中に生まれた「よくつくけど、簡単に剥がれて
しまう」失敗作と、教会で賛美歌を歌っている際中にしおりが滑り落ちる
のをみて偶然気付いた「のりの付いたしおり」のアイデアから生まれています。

http://www.mmm.co.jp/wakuwaku/story/story2-1.html

多様な人材による議論や活動の機会の提供、専門外や異質な人材の登用など
も、セレンディピティを生かす偶然の出会いや気付きを生み出すことにつな
がります。

このブログのテーマであるCSV*との関係で言えば、CSVの中心戦略の一つで
ある「社会問題を解決するイノベーション」もセレンディピティから生み出
されることが多くあります。社会貢献活動などをしている中や、社会問題の
苦しんでいる人たちとの対話の中で、社会問題解決のアイデアに“偶然出会
う“ともあるでしょう。そうしたアイデアを大事にして、実行可能性を検証
し、実現に向けて踏み出すことが重要です。

社会問題解決イノベーターにも、「行動し、気付き、受容する」ことが求め
られます。

(水上 武彦)
  Blog記事: http://www.cre-en.jp/mizukami-blog/?p=621



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◇◆ 3. 新着Topics & News
◆◇   ~ サステナビリティ関連の動きからトピックスをご紹介 ~
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今回は12件のトピックスをご紹介します。


●1 「世界の課題ランキング」(世界経済フォーラム)

  世界経済フォーラムの調査による世界の課題ランキングで、
  「資源の希少性」がトップ10入りし、昨年の7位から4位に上昇。
  「気候変動/自然災害」も9位に登場。
  : http://reports.weforum.org/global-agenda-survey-2012/trends/


●2 「新しい企業形態 ベネフィット・コーポレーション」(benefitcorp)
  アメリカで社会的責任のある行動を追求することで株主から攻撃を受け
  ることを法的に保護する法律が施行されました。このような対象企業は、
  「ベネフィット・コーポレーション」と呼ばれ、社会や環境にポジティ
  ブな影響を生み出すこと、取締役会は地域社会や環境を含むステークホ
  ルダーへの影響を考慮し説明責任を果たすこと、活動のパフォーマンス
  を「アニュアル・ベネフィット・レポート」として情報開示すると共に、
  第三者による検証義務を負うこと、などが認定条件として求められてい
  ます。メリーランド州が全米に先駆けて法制化し、カリフォルニア州
  など他州にも広がりつつあります。
  : http://benefitcorp.net/


●3 「米国政府へ気候変動への対応要請」(Ceres)

  世界最大の投資家グループの「Ceres(セリーズ)」が、政府に対し、
  低炭素投資の奨励など気候変動へのより積極的な対応を要請。
  セリーズはGRIガイドラインを発行するGlobal Reporting Initiative
  の設立に中心的に関わった団体です。
  : http://www.csrwire.com/press_releases/34909-World-s-Largest-
Investors-Call-For-More-Decisive-Action-By-Governments-On-Climate-Change
●4 自然資本の重要性に関するレポート(KPMG、ACCA)   ACCA(英国 勅許公認会計士会)とKPMGが「自然資本は重要課題か?」   というレポートを公表しました。このレポートの中で、会計士へ行なった   アンケートでは、回答者の約半数が「自社のリスク評価項目に自然資本の   問題を含んでいた」と回答、6割が「自社のビジネスにとって自然資本は   重要」と回答し、「自然資本に関する現在の情報開示は、リスクマネジ   メントに洞察を提供するには不十分」と回答したとのことです。   : http://www.kpmg.com/UK/en/IssuesAndInsights/ArticlesPublications/
Documents/PDF/Tax/natural-capital.pdf
●5「企業の自然資本会計標準化を図る新たな組織」(UNEP、TEEB)   地球上の自然資本を、消費するのではなく保全するように企業行動を   変えるためのビジネス連合(TEEB for Business Coalition:ビジネスの   ためのTEEB<生態系と生物多様性の経済学>連合)が、シンガポールで   発足したということです。   本組織は、ビジネスにおける自然資本の価値評価と報告の実践に向けて、   自然資本会計の方法を研究し、標準化することを目指しており、G8+   5カ国環境閣僚会議と国連環境計画(UNEP)の支持を得たTEEBプログ   ラムを企業に応用するものとのことです。   本プログラムにはTEEB、IUCN、コンサベーション・インターナショナル、   WWF、GRIなどのサステナビリティに関わる主要プレーヤーのほか、   企業ではプーマが全面的に参画しています。   : http://www.eic.or.jp/news/?act=view&serial=28685&oversea=1     http://www.unep.org/newscentre/Default.aspx?DocumentID=2698&ArticleID=9321&l=en ●6 「Zaraがサプライチェーンから危険物質排除をコミット」(BreenBiz.com)   アパレルの世界的な大手企業であるZaraが、グリーンピースのデトックス   ウォーター・キャンペーンにより、2020年までに自社のサプライチェーン   から危険性のある化学物質を排除する、というコミットメントを発表しま   した。ユニクロなども既に同様のコミットメントを発表しており、世界の   大手アパレル企業全体に化学物質排除への動きが広がりつつあります。   : http://www.greenbiz.com/blog/2012/11/30/zara-commits-detox-after-greenpeace-dressing-down ●7 「エネルギーシステムは持続可能には程遠い」 (世界エネルギー会議)   世界エネルギー会議は、各国のエネルギーの持続可能性を評価して、   ランキングを毎年発表しています。これによると、「資源・エネルギー   の確保」「経済発展」「環境保全」の3者が対立し、バランスが取れて   いない「エネルギー・トリレンマ」の状態にある国が多いと報告されて   います。   : http://www.worldenergy.org/wec_news/press_releases/3961.asp     http://www.worldenergy.org/issues/energy_sustainability_index/default.asp ●8 「インドでCSRが義務に」 (NNA.ASIA)   インドの会社法が改正され、一定規模の企業にはCSRへの取り組みが   義務として課せられました。   : http://news.nna.jp/free/news/20121009inr003A.html ●9 「中国政府と持続可能な開発」 (International Business times)   中国政府が初めて「持続可能な開発」を共産党大会で協議したとの   ことです。   : http://jp.ibtimes.com/articles/37080/20121109/190776.htm ●10 「ゲーム機へのエコラベル」 (バンダイナムコゲームス)   バンダイナムコゲームスが業務用ゲーム機に「エコラベル」表示を業界   で初めて開始したそうです。日頃、子ども達が意識して見るかというと   そうではないかもしれませんが、子どもが触れる頻度が高い場所で、こ   うした取り組みを進めることは大切なことではないかと思います。   : http://www.eic.or.jp/news/?act=view&serial=28822&oversea=0     http://www.bandainamcogames.co.jp/corporate/press/release/58/pdf/20121129.pdf ●11 広告が「自然破壊助長」と仏裁判所の撤去命令判決 (トヨタ)   トヨタ自動車の広告が自然破壊を助長する恐れがあるとして、裁判所が   広告の撤去命令の判決を出したとのことです。日本でも、15年以上前に   このような観点での配慮が求められた時期がありましたが、欧州でも   同様の要請が出ているようです。   : http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2012102300955 ●12 「ソーシャルイノベーションアワード」 (ダノン)    ダノングループ内のソーシャル・イノベーションに関する取り組み    評価するもので、今年は84のビジネスユニットから238のプロジェクト    が申請され、インドネシアのミルク農家の生産性向上への取り組みが    受賞したとのことです。   : http://www.sustainablebrands.com/news_and_views/articles/
danone-awards-internal-innovation-environment-social-projects?
utm_source=newsletter&utm_medium=innovation&utm_campaign=oct17
(荒木 茂善、水上 武彦) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【 メール情報誌の名称: Sustainability マガジン 】 ※ 本メールは、持続可能な社会にむけた企業と市民社会の取り組みに関する   情報を、隔月を目安にお届けするメール情報誌です。 ※ メールマガジンの転送は歓迎です。複製・転載は事前にご相談下さい。 ※ このメール情報誌は、株式会社クレアン及び株式会社CSR経営研究所の   スタッフと名刺交換させていただいた方にも配信しております。この   メール情報誌がご不要の方は、お手数ですが下記のアドレスより配信の   解除をお願いいたします。 ▽ メールマガジンの配信解除   http://www.cre-en.jp/library/mm/ ▽ ご連絡先   sustainability(アットマーク)cre-en.jp 「(アットマーク)」は、「@」に置き換えてください ▽ 発行: 株式会社クレアン       東京都港区白金台3-19-6 白金台ビル5F (〒108-0071)       TEL. 03-5423-6920       HP . http://www.cre-en.jp/ Copyright(c)2012 Cre-en,Inc. & The CSR Institute,Inc. All Rights Reserved. ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━