Sustainabilityマガジン(vol.14)2013.8.13号
Sustainability マガジン vol.14 (2013.8.13号)
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今回は、クレアンからのお知らせ4件とコラム1件をご紹介いたします。
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◇◆ 1. クレアンからのお知らせ
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●1 「日本取引所グループ・日本財団主催のCSRセミナーでの講演」
弊社代表の薗田が、日本取引所グループと日本財団主催のCSRセミナー
で「CSR経営の9つの最新キーワード」のテーマで講演を行いました。
講演の記録を弊社のウェブサイトで公開しました。
: http://www.cre-en.jp/library/seminar/130712/
●2 共催セミナー「グローバル時代の人材ポートフォリオ戦略
~ダイバーシティの重要性~」のご案内
サステナビリティ日本フォーラム主催、日本GE株式会社と株式会社
クレアン共催で「ダイバーシティ」をテーマにとした勉強会を9月9日
に開催します。
ダイバーシティ経営の具体的な実践例として、日本GE株式会社の
タニグチ直子様をお招きし、「多様性がない企業は成長しない」と
いう独自の考えのもとダイバーシティの推進を企業戦略の1つとして
位置づけるGE社の事例を共有いただき、理解を深めます。詳しくは
以下のウェブサイトをご覧ください。
: http://www.sustainability-fj.org/seminar/2013/20130708.php
●3 CSR活動の事例紹介「住友金属鉱山のコミュニケーションを軸と
したCSR推進」
国際NGO The Nature Conservancyとのエンゲージメントのお話や
スペイン語版のレポートを発行していることなどが伺えました。
: http://www.cre-en.jp/library/changing/detail_010/
●4 書籍「CSV経営」のご案内
クレアン水上とユニバーサルデザイン総合研究所の赤池学所長の
共著によるCSV/シェアード・バリューに関する書籍が7月11日に
発売されました。CSVの背景・理論・実際、大企業・ベンチャー
・地方自治体など多様なプレーヤーからの視点で、CSV/シェアード
・バリューについて解説しています。是非、ご覧ください。
→ http://www.amazon.co.jp/CSV%E7%B5%8C%E5%96%B6%E2%80%95
%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E7%9A%84%E8%AA%B2%E9%A1%8C%E3%81%AE
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0-%E5%AD%A6/dp/4757123140
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◇◆ 2. Sustainability Column
◆◇ ~「グローバルコンパクト署名企業に与える」
ポストMDGsの影響を考察する~
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1、グローバルコンパクトとMDGsの関係について
国連グローバルコンパクトの署名企業は世界で7000社を超えた。日本でも
170を超える企業が署名している。
グローバルコンパクトは、人権、労働、環境、腐敗防止の4つを柱とした
10の原則を守るものとして知られているが、一方、署名企業にはミレニ
アム開発目標(以下、MDGs)を主として、国連が定める目標群の実現を
目指した活動を進めることが奨励されていることはあまり知られていない。
ミレニアム開発目標(MDGs)とは、極度の貧困と飢餓の撲滅、初等教育
の達成、男女格差の解消、乳幼児死亡率の削減、環境悪化の回避など、
極限的な脅威を低減させようとして国連が定めた目標である。
途上国の貧困解決などの極限的脅威に取り組むのは、企業ではなく公共
機関である、と日本では広く捉えられているため、自然な流れとして多く
の日本企業はMDGsを総論として賛成しつつも、自ら着手すべき課題とは
考えてこなかった。グローバルコンパクト署名企業においても、署名の時
には10の原則だけが眼に入り、MDGsへの貢献を求められていることは
視野に入ってこなかったのではないか。
2、ポストMDGsについて
さて本稿では、今から2年後の2015年には、これまで企業にとって縁の
遠かったMDGsが、特にグローバルコンパクト署名企業にとって、具体的
に着手すべき目標に変化するかもしれない、ということについて述べたい。
MDGsは8つの目標を定めていることは上で述べたが、それぞれの目標は
例えば、「2015年までに1日1ドル未満で生活する人口の割合を1990年の
水準の半数に減少させる」というように、目標が年限と数値で決められて
いる。
国連がMDGsを定め、これを各国が受けて開発計画や法制度等にして努力
してきた結果、例えば、初等教育の女性就学率や結核蔓延防止などは改善
されてきた。一方、妊産婦の死亡率のようにあまり改善していない問題も
ある。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/doukou/mdgs/about.html#report
数値で決める目標には年限が必要であり、国連は年限を2015年とした。
そのため、2016年以降については新たに目標※を定める必要があり、
国連を中心に、次の目標をどのようにするかの議論が近年進められている。
※ 世界の目標: 公式には「ポスト2015年開発アジェンダ」と呼ばれる
ことが多い。本稿では「ポストMDGs」と呼ぶ。
3、サステナブル・デベロップメント・ゴール(SDGs)について
ここから話が少し複雑になる。上のMDGsとは別に、国連ではサステナブル
・デベロップメント(持続可能な開発)が人類最大の課題として、この20
年間議論が続けられてきた。そのような中、2012年6月にブラジルのリオ
・デジャネイロで行われた国連持続可能な開発会議(リオ+20)では、
その成果として「持続可能な社会づくりのためには世界共通の具体目標が
必要である」と決議され、「サステナブル・デベロップメント・ゴール」
(SDGs)※を国連として定めることを決めた。
※ SDGs http://sustainabledevelopment.un.org/index.php?menu=1549
MDGsとSDGs、似たものが二つあることについて、一方のMDGsは極度の
貧困撲滅を中心課題とし、片方のSDGsは持続可能な社会づくりを目標と
するのであれば、究極の目標は同じではないか、というしかるべき議論が
あり、両者を統合し、人類共通の総合的な目標を2015年に定めようという
方向で目下、国連での議論は進んでいる。
4、ポストMDGsはどのようなものになるか
さて、その総合的目標とはどのようなものになるだろうか。
極度の貧困撲滅という最大の人権課題は当然入るであろうし、気候変動の
防止も入るだろう。生物多様性も入るに違いない。それらの世界の基盤に
関わる課題については世界的な枠組みが既にあり、それらを踏まえて具体
目標が定められることになるだろう。
企業によって我が事となるかは、これら大目標の下部構造となる海水、
淡水、食糧、地下資源など資源の利用や制限、エネルギーの利用や制限、
消費のあり方、途上国における事業開発の仕方、サプライチェーンマネジ
メント、企業の活動情報の公開・報告といった、企業に直結する課題が
目標になるかどうかである。
人類共通の総合的な目標(ポストMDGs)が2015年に定まった後、これが
世界でどのように運用されるかはさまざまに想像されるが、グローバル・
コンパクトとの関係は明確であるように思われる。
1)グローバルコンパクト署名企業はMDGsの実現を目指した活動を進める
ことが奨励されている。
2)MDGsとSDGsは統合され、ポストMDGsが決まる。
3)グローバルコンパクト署名企業は国連からMDGs改め「ポストMDGs」
の実現を目指した活動を進めるよう奨励される。
グローバルコンパクト署名企業は、ポストMDGsの動きを注視する必要がある。
5、ポストMDGs策定に参画する企業の動き
このようなポストMDGsの動きの中、グローバルコンパクトは企業セクター
を束ねる役を担っている。
具体的な動きはすでに起こっており、グローバルコンパクト本部は、主体的
な企業群を束ねて、WBCSDと協働でポストMDGsの提言書(6ページ)を
まとめた。2013年3月に潘基文 国連事務総長に提出している。
http://www.unglobalcompact.org/docs/issues_doc/development/Joint_Report_HLP.pdf
提言書は、現行のMDGsが簡潔であり、数値目標を掲げたことによって成果
を上げたことを評価しつつ、この後継たるポストMDGsでは、サステナブル・
デベロップメントの観点で、社会・環境・経済を充足した具体目標を定める
べきだとしている。さらに産業部門の目標については業種別に目標を定める
ことや、財務資本、社会資本、自然資本の観点での統合報告が必要であると
するなど、全体として踏み込みの度合いが強い。
これに続き、グローバルコンパクトは詳細な提言書(25ページ)を提出した
(6月)。水、食糧、エネルギーなどの企業に直結する諸要素の目標設定に
ついて、具体的提言をしている。
http://www.unglobalcompact.org/news/335-06-18-2013
潘事務総長は、今年9月25日開催の国連総会の場で、MDGsの達成状況、
およびその後継目標の方針を発表する予定であり、グローバルコンパクト
の提言書もそのインプットとして活用する旨を既に示している。
※ 追記:
ポストMDGsの国連議論の中心に27人の賢人会議(ハイレベルパネル)が
ある。http://www.un.org/sg/management/hlppost2015.html
ユニリーバ社のCEO ポルマン氏はこのメンバーであり、産業界の代表者
として、ポストMDGsへの企業の声を集めるプロジェクトを行った。
ユニリーバが事務局となり、300の企業の声を集め、報告書(48ページ)
を2013年5月にハイレベルパネルに提出している。
http://www.unilever.com/images/Summaryofbusinessoutreach_tcm13-358374.pdf
(山口 智彦)
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◇◆ 3. 新着Topics & News
◆◇ ~ サステナビリティ関連の動きからトピックスをご紹介 ~
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今回は2件のトピックスをご紹介します。
●1 「世界自然エネルギー未来白書 2013」が公開
「RENEWABLES GLOBAL FUTURES REPORT2013」が公開されました。
世界の自然エネルギーについての調査報告であり、世界15ヶ国約170名
の専門家や研究者や政策立案者などへのインタビュー、20以上の都市の
員地方公務やステークホルダーへのインタビュー、信頼できる国際機関
・エネルギー事業者・研究機関が最近発行した50以上のシナリオなど、
多面的な情報源から自然エネルギーの現状と未来を浮き彫りにしようと
試みられています。p65には個人的意見として著者の見解が簡潔に表明
されていますが、たいへん興味深いものです。
: http://www.ren21.net/Portals/0/documents/Resources/GSR/2013/GFR2013jp.pdf
●2 「生物多様性に関する企業の取り組み事例の公開」(環境共)
環境省が、「事業者による生物多様性の保全と持続可能な利用に関する
取組事例」および「生物多様性分野における事業者による取組の実態」
についてウェブサイトで公表しています。
2010年に日本で開催されたCOP10(生物多様性条約第10回締約国会議)
から約3年が経ち、様々な取り組みが試行され、徐々に広がりつつある
ことがわかります。
: http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=16708
: http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=16709
●3 「東京財団 CSR企業調査がスタート」(東京財団)
非営利・独立の民間シンクタンク公益財団法人 東京財団がCSRの研究
プロジェクトをスタートさせ、CSR企業調査をスタートさせています。
欧米に較べて、日本はCSRに関する大規模な調査は少なく、また現状
把握型の調査が大半を占め、CSRを推進する大きなドライバーになる
ことは少なかったように思います。
その背景には、「企業が社会課題解決に取り組む必要性」についての
理解・認識が、社会で十分共有されてこなかったためではないかと考
えます。
しかし、公的機関だけで、現在横たわっているさまざまな諸課題の
解決を図ることは現実的に困難であり、生活者も含めた社会を構成する
全ての主体が“私たちの社会”の課題解決に取り組むことが必要な時代
が訪れています。
このような取り組みの発展を期待したいと思います。
: http://www.tkfd.or.jp/research/project/news.php?id=1167
http://www.tkfd.or.jp/research/project/project.php?id=85
(荒木 茂善)
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【 メール情報誌の名称: Sustainability マガジン 】
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