Sustainabilityマガジン(vol.21)2014.10.23号
クレアン Sustainabilityマガジン vol.21 (2014.10.23号)
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◇◆ 1. ごあいさつ
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いつもメールマガジンをご覧いただき、誠にありがとうございます。
マーケティングチームの村山です。
CSR・IR担当の皆様の中には、来年のCSRレポート・統合レポートの内容や
形式につき検討に入られた方も多くなってきたのではないでしょうか。
ご検討を始めた方からよくご相談を受ける点が「マテリアリティ(重要性)」
です。
G4準拠を視野に入れる企業担当者の方はもちろん、統合報告に関しても
マテリアリティは主要な論点になっていることは周知の事実かと思います。
マテリアリティという概念が、企業情報開示における意義を更に高めつつある中
ホールディングス会社という、マテリアリティ選定には「手間のかかる」形態
でありながら非常に丁寧なプロセスを経てマテリアリティ選定に至った会社が、
セブン&アイホールディングス様です。
http://www.7andi.com/csr/csrreport/2014.html
今後「自社としてマテリアリティを選定すべきだ」「取り組む予定だ」と
お考えのご担当者様はもちろん「うちはまだまだ」というご担当者様にとっても、
間違いなく参考になる内容かと思います。
ぜひご一読されることをお奨め致します。
マテリアリティは当然ながら、最終的には自社が決定するものですが、
その中にいかに外部視点を取り込むかが重要なポイントになります。
単なるステークホルダーダイアログを1回すればいいという形式的なものでなく
いかに外部視点を取り込むかも各社の置かれた状況でそれぞれ異なってきま
す。自社にとってベストなマテリアリティ選定プロセスは何かなど、ご相談等
ございましたらお気軽にお問い合わせ頂ければ幸いです。
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◇◆ 2. Sustainability Column
◆◇ ~ ISO14001の改訂で変わること、変わらないこと ~
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現在、ISO14001の改訂作業が、2015年の発行に向けて進められています。
前回の2004年は小さな改訂でしたが、今回の改訂は1996年の発行以来の
大きな改訂であると言われています。
日本のCSR元年と言われたのが2003年ですが、以来、日本企業のCSRが
工場起点での環境活動を中心に進められてきた面が強いことを思い起こす
ならば、ISO14001における今回の改訂がCSRに及ぼす影響も、小さなもので
済むとは思えません。
ISO14001では、PDCAの枠を通じて決められたことをきちんと行い、
それに対して外部認証を受けることが求められるため、現場で実績を
確実に積み重ねることに主眼が置かれています。従い、日本のCSRもまた
取組現場での着実な積み重ねが重視され、今後の方向性への本社サイドの
コミットは外国企業に比べると弱かったわけです。しかし、今後はそうも
行かなくなりそうです。
改訂されるISO14001では、自社の脅威や機会になりそうなテーマを
見定めなさいという内容が盛り込まれる予定です。ここで企業は、
(1)取組現場ではなく経営の観点から、(2)実績という確実な領域ではなく
不確実なリスクやチャンスに対して言及する形になります
(これはISO26000やGRIと歩調を合わせた動きです)。
これがCSRにどのように影響するか。もちろん、これまでも続いてきた
現場での着実な積み重ねが変わることはありません。日本企業の守るべき
美風は守っていくことになります。
ただ、企業は未来へのコミット、不確実なことへの本社の言及が求められる
度合いが増すことでしょう。これらは、SRIのアンケートや投資家との
コミュニケーションで既に行われていることですが、ISO14001の性格が
変わることで、日本企業が暗黙のうちに拠り所にしてきた現場本位、
実績主義、不言実行の発想にメスが入れられると思われます。
幸い、ISO14001の発行後に設定される移行期間の間は猶予がありますが、
企業のCSRを取り巻く空気が変わるかもしれません。それに間に合うよう、
攻めの面でも守りの面でも経営の観点からの意思表明を柔軟に行えるような、
有言実行に向けた体質転換への努力が期待されます。
サステナビリティ・コンサルティンググループ
内田宏樹
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◇◆ 3. クレアンからのお知らせ
◆◇ ~ セミナー等のご案内 ~
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本年12月15日、サステナビリティ日本フォーラム(Sus-FJ)も共催する
●G4マルチステークホルダー委員会シンポジウム2014
「マテリアリティの特定を長期的な企業価値向上に結びつけるには(仮)」
を開催いたします。
<開催趣旨>
企業は成長戦略としてグローバル展開を進める中で、
顕著になる社会面・環境面・資源面での制約を背景に、
これまでの延長線上ではない取り組みが求められるようになりました。
企業が直面する多面的な課題は、
GRIが示す課題や指標として明確にされています。
また、課題に対する重要度は企業ごとに異なり、
その違いに応じたその企業ならではの取り組みが求められています。
企業とステークホルダーにとっての重要な課題を特定するこのプロセスは
G3からの流れであり、この考え方はG4でも変わっていません。
一方で、G3からの大きな変更点として以下のようなことがあります。
1.重要な課題が埋もれてしまうという懸念から、情報開示の側面に
おいても網羅性から重要(マテリアルな)課題を中心とした情報の質が
求められるようになったこと
2.バウンダリーを特定して経営層が関与したマネジメントをすること
3.長期的成功についての情報開示も求められるようになったこと
等々。
G4以後、国際統合報告評議会(IIRC)から統合報告フレームワークが
発行され、さらには金融庁が日本版スチュワードシップ・コードが
発行されるなど企業を取り巻くコミュニケーションの状況が大きく
動いています。
今後、機関投資家を含むステークホルダーとのコミュニケーション、
エンゲージメントのためにはGRI G4等を大いに活用して自社のESGに
関するマテリアリティ課題を抽出し、それらについての
方針・戦略・取組などを整理し、ストーリー性を持って伝えることが必須です。
本シンポジウムでは、これらの潮流をにらみ、マテリアリティ特定の
プロセスや妥当性について理解を深めたいと考えます。
<開催概要>
■日時:2014年12月15日(月)13:00~16:30(受付12:30~)
■会場:日本財団 大会議室(港区赤坂1丁目2番2号日本財団ビル)
■参加費:無料
■定員:200名
■主催:G4マルチステークホルダー委員会
■共催:日本財団、サステナビリティ日本フォーラム、
IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]
■後援:(予定)環境省、経済産業省、外務省、
グローバル・コンパクト・ジャパン・ネットワーク(GC-JN)
■助成:地球環境基金
<詳細・参加申込み>↓
http://www.sustainability-fj.org/G4sympo2014/
※サステナビリティ日本フォーラムは、弊社代表の薗田が事務局長を務めています。
2)------------------------------------------------------------
一般財団法人 地球・人間環境フォーラムでは、環境省委託事業
●「CSR担当者のための海外森林保全研修ツアー」
(2014年12月5~10日、マレーシア)
の参加者を募集しています。
<ツアー趣旨>
国内では企業のCSR活動の一環として植林活動が広く実施されている一方、日
系企業が多く進出している東南アジアでは、森林減少が深刻な問題となってい
ます。
環境省では、我が国企業のCSR(企業の社会的責任)による海外での森林保全
活動を促進することで、生物多様性保全と持続可能な森林経営の取組に貢献す
ることを目指してきました。今年度は企業のCSR担当者を対象に、森林保全活
動の現場を体験する研修ツアーを行います。
経済成長が続くマレーシアでは、開発により沿岸部のマングローブ林が減少し
ています。マレー半島北部で伝統的な漁業を行うマレー系漁民のコミュニティ
では、漁場の回復のためマングローブの植林に取り組んできました。
研修ツアーでは、マングローブ植林活動や苗畑作業を体験し、漁船に乗って小
規模漁業や魚市場の見学も行います。現地政府とCSRに関する意見交換会も
予定しています。日系企業も多いマレーシアで、進出先でのCSR活動の
ヒントを得られる企画です。ぜひご参加をご検討ください。
詳細、応募方法等は地球・人間環境フォーラムのWebサイトをご覧ください。
http://www.gef.or.jp/activity/forest/world/2014tour.html
*「CSR担当者のための海外森林保全研修ツアー」概要
【研修地】マレーシア(ペナン州、ペラック州、クアラルンプール)
【研修日程】2014年12月5日(金)~12月10日(水)早朝成田着
【参加条件】全日程に参加可能で、かつ2015年1月中旬に都内で開催予定の
報告会に参加可能であること
【募集人数】10名(1社1名まで)
【費用】環境省負担:現地移動費、宿泊費、その他現地でプログラム実施にかかる費用
自己負担:往復航空運賃及び現地飲食費、海外旅行保険(必須)、その他個人的費
用(おおよそ10~15万円)。
【応募】申込書類(申込書、経歴書、応募調査票、パスポートのコピー)に必
要事項を記入して申込先(地球・人間環境フォーラム)までメール添付にてお
送りください。
※送信後2,3日以内に連絡がない場合は、お問合せください。
※個人情報は本事業以外には使用しません。
【応募締切】2014 年11 月4日(火)
【お問合せ・申込先】
地球・人間環境フォーラム
担当:飯沼
TEL:03-5825-9735 e-mail:gef@gef.or.jp
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【 メール情報誌の名称: Sustainability マガジン 】
※ 本メールは、持続可能な社会にむけた企業と市民社会の取り組みに関する
情報を、隔月を目安にお届けするメール情報誌です。
※ メールマガジンの転送は歓迎です。複製・転載は事前にご相談下さい。
※ このメール情報誌は、株式会社クレアン及び株式会社CSR経営研究所の
スタッフと名刺交換させていただいた方にも配信しております。この
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