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報告とコミュニケーション
統合報告に取り組む
メリット
統合報告に取り組みメリットとして、コミュニケーション面でのメリットと、社内マネジメント面でのメリットが、挙げられます。
このことを示す動きとして、以下の例をご紹介しておきます。
(1)コミュニケーション面のメリット:
自社独自の価値創造の考え方やメカニズムを社内外に発信することで、株主・投資家やステークホルダーからの評価向上に役立つ、というメリットが挙げられます。例えば、顧客や社会に向けてどのような価値を創造しているか、価値創造を支えるビジネスの仕組み・人材・技術をどのように強化しているか、価値創造のベースとして企業理念は浸透しているか、などを表明することは、株主・投資家を含むさまざまなステークホルダーからの企業への理解を促し、評価の向上に寄与すると考えられます。
また、近年、CSV(Creating Shared Value:共通価値の創造)という概念が注目されています。これは、「事業活動を通じて企業価値と社会価値を同時に向上させる」という考え方ですが、統合報告書で表明する価値創造の文脈と通じるものがあると考えられ、CSV活動を伝えるのに最もふさわしい情報開示ツールであるとも言えるのです。
(2)社内マネジメント面のメリット:
一般的に、経営戦略、ガバナンス、財務、人事、環境、知的財産など、経営に関わる各種情報は、それぞれ社内の異なる部門で管轄されており、全体像が把握しにくいということが考えられます。統合報告(統合思考に基づいて社内議論を進め、統合報告書をつくるまでのプロセス)に取り組むことで、こうした各種情報の全体像を把握できるとともに、それぞれの情報が互いに整合性が取れているのか、全体として一つの価値創造ストーリーになり得るかといった点の確認が可能となります。結果的に、さまざまな課題が「見える化」され、改善につながることが期待できます。
統合報告に取り組むメリット